MOVファイル形式とは
MOVファイルが再生できない問題を解決する方法を知る前に、まずMOVファイル形式について簡単に確認しましょう。
MOVファイル形式は、映画、テレビ番組、ショート動画、ホームムービーを保存するために使用される最も一般的な動画ファイル形式の一つです。MOVファイル拡張子を持つファイルは、QuickTime File Format(QTFF)コンテナファイルに保存されたApple QuickTimeムービーファイルです。
MOVファイルはApple製品における標準的な動画形式です。例えば、Appleの動画編集ソフトiMovieはMOV形式で動画を書き出し、iPhoneやiPadのカメラアプリも録画した動画をMOV形式で保存します。
多くのデバイスやアプリケーションでMOVファイルを開くことができます。MOVファイルは、PCではWindows Media Playerや「映画とテレビ」アプリ、MacではQuickTime Playerで簡単に再生できます。ただし、場合によってはPCやMacでMOVファイルが再生できないことがあります。
MOVファイルが再生できない一般的な原因として、コーデックの不足、動画ファイルの破損、一時的なシステム障害などが考えられます。PCやQuickTime PlayerがMOVファイルを認識できない、または開けない場合は、以下の方法で問題を解決できる可能性があります。
WindowsでMOVファイルが再生できない時の対処法
まず、WindowsでMOVファイルが再生されない場合の解決方法を見ていきましょう。
ケース1:非互換のMOVコーデック問題
一部のユーザーから、iPhoneで録画したMOVファイルをノートパソコンに転送した後、Windows Media Playerで再生できず、次のようなエラーメッセージが表示されるという報告が寄せられています。

MOVはWindows Media Playerに対応している動画ファイル形式の一つですが、iPhoneで録画した動画はWindowsで開くことができません。これはコーデックの問題によるものです。iPhoneはデフォルトのカメラアプリで録画した動画をH.264 MOVファイル形式で保存します。ストレージ容量を節約するため、iPhoneでは録画をHEVC(H.265とも呼ばれる)形式で保存することも可能です。HEVCはH.264よりも優れた圧縮率を提供します。
デフォルトでは、WindowsにはHEVCコーデックが含まれていません。そのため、Windows Media PlayerではHEVCでエンコードされたMOVファイルを開くことができません。この場合、WindowsでMOVファイルが再生できない問題を解決するには、以下の3つの方法を試してください。
方法1.MOVファイル形式を変換する
HEVCでエンコードされたMOVファイルをMP4、またはH.264でエンコードされたMOVファイルに変換すれば、Windows PCでも再生できるようになります。そのためには動画変換ソフトが必要です。MiniTool Video Converterは、Windows用の透かしなしの無料動画変換ソフトです。このアプリケーションは幅広い動画形式とファイル形式に対応しています。
MiniTool Video Converterでは、動画の形式、エンコーダー、解像度、フレームレート、ビットレートを変更できます。例えば、MKVをMP4に変換したり、MP4をAVIに変換したり、MOVをMP4に変換したり、動画を60FPSに変換したりできます。また、音声形式の変換、PC画面の録画、動画から音声への変換なども可能です。
MiniTool Video Converterは使いやすく、動画や音声ファイルを一括で変換できます。HEVCでエンコードされたMOVファイルをH.264 MP4またはMOVファイルに変換する手順は以下の通りです。
ステップ1.お使いのPCにMiniTool Video Converterをダウンロードしてインストールします。
MiniTool Video Converterクリックしてダウンロード100%クリーン&セーフ
ステップ2.インストール後、MiniTool Video Converterを開き、「ここにファイルを追加またはドラッグして、変換を開始します」エリアをクリックするか、「ファイルを追加」をクリックしてMOV動画ファイルをアップロードします。

ステップ3.「歯車」アイコンをクリックして、出力形式のリストを開きます。

ステップ4.「動画」タブに移動すると、左側に多くの動画形式が表示されます。「MP4」または「MOV」を選択し、希望の解像度プロファイルを選びます。

さらに、カスタム形式を作成することもできます。MP4またはMOVを選択した後、「+カスタム設定の作成」をクリックして設定を開きます。「エンコーダー」メニューを展開し、「H264」を選択します。解像度、フレームレート、ビットレートなどのパラメータを設定します。その後、「作成」をクリックします。

その後、出力形式のリストからカスタム形式を見つけて選択します。すると、メインのユーザーインターフェースに戻ります。
ステップ5.左下隅にある「出力」メニューをクリックし、「参照」を選択して保存先フォルダを変更します。
ステップ6.最後に、「変換」ボタンをクリックして変換タスクを開始します。

方法2.HEVEコーデックをインストールする
Windowsには標準でHEVCコーデックが搭載されていませんが、Microsoft Storeから有料のHEVCビデオ拡張機能を入手できます。これを購入してインストールすれば、Windows 10/11デバイスでHEVC動画を再生可能になり、HEVC形式のMOVファイルが再生できない問題も解消されます。

また、Windows 10 Codec PackやK-Lite Codec PackをPCにインストールすることで、不足しているコーデックに起因するMOVファイルの再生問題を解決することも可能です。
方法3.別の動画プレイヤーを使用する
Windows Media PlayerでMOVファイルが再生できない場合、別の動画プレイヤーを使うことができます。多くのプレイヤーはHEVC動画の再生をサポートしています。例えば:
- VLC Media Player
- 5KPlayer
- Divx Player
- PotPlayer
- CyberLink PowerDVD
ケース2:動画の破損
MOVファイルはH.264などのコーデックでエンコードされていても、Windowsで再生できないことがあります。Windows Media Playerやその他の動画プレイヤーでも開けない場合は、ファイルが破損している可能性があります。その場合は、MiniTool Video RepairのようなMOV修復ツールを使って修復できます。
MiniTool Video Repairは、破損したMOV、MP4、M4V、F4V動画や、GoPro、Sony、Canon、DJIドローンなどのデバイス上の動画を修復できる無料の動画修復アプリです。複数の動画ファイルを一括で修復でき、修復後の動画をプレビューできます。さらに、深刻な損傷を受けた動画を修復する高度な修復機能を搭載しています
MiniTool Video Repairで破損したMOV動画を修復する手順は以下の通りです。
ステップ1.PCにMiniTool Video Repairをダウンロードしてインストールします。その後、アプリを起動してメインインターフェイスにアクセスします。
MiniTool Video Repairクリックしてダウンロード100%クリーン&セーフ
ステップ2.「Add video(s) and start repairing」ボタンをクリックし、PCからMOVファイルをアップロードします。

ステップ3.右下隅の「Repair」ボタンをクリックすると、MiniTool Video Repairがすぐに動画の修復を開始します。完了したら、「OK」をクリックしてください。

ステップ4.「Save」をクリックし、修復したMOV動画をPCに保存する場所を選択します。
WindowsでMOVファイルが再生できない時のその他の対処法
上記の解決策に加えて、WindowsでMOVファイルが再生できない場合のその他の対処法もご紹介します。
#PCを再起動する
MOVファイルが再生できない場合は、まずメディアプレイヤーを終了して再起動し、もう一度動画を再生してみてください。それでも再生できない場合は、PC自体を再起動してから試してみましょう。
#メディアプレイヤーを更新する
デフォルトのメディアプレイヤーを使用する場合でも、サードパーティ製アプリでMOVファイルを再生する場合でも、動画をスムーズに再生するためには、メディアプレイヤーが最新バージョンであることを確認してください。
#ビデオ再生トラブルシューティングツールを実行する
コンピューターで動画、テレビ番組、映画を再生する際に問題が発生した時は、ビデオ再生のトラブルシューティングツールを実行することで、問題を特定して修復できます。WindowsでMOVファイルが再生できない場合も同様です。
Windows 10の場合:
「スタート」>「設定」>「更新とセキュリティ」>「トラブルシューティング」>「追加のトラブルシューティングツール」の順に選択します。「ビデオの再生」を選択し、「トラブルシューティングツールを実行する」ボタンをクリックします。

Windows 11の場合:
「スタート」>「設定」>「システム」>「トラブルシューティング」>「その他のトラブルシューティングツール」の順に選択します。「ビデオの再生」をクリックし、「実行」ボタンをクリックします。
#ディスプレイドライバーを更新する
古いグラフィックドライバーが原因で、WindowsでMOV動画を再生できない場合があります。この問題を解決するには、グラフィックドライバーを更新してください。
「Win + R」キーを同時に押してファイル名を指定して実行ダイアログボックスを開き、「devmgmt.msc」と入力して「OK」をクリックし、デバイスマネージャーを開きます。「ディスプレイアダプター」を展開し、対象のグラフィックデバイスを右クリックして 「ドライバーの更新」をクリックし、画面の指示に従ってください。
#Windows更新を確認する
古いバージョンのWindowsを使用していると、動画が再生できないことがあります。Windowsを最新の状態に更新することで、MOVファイルが再生できない問題を解消できる可能性があります。
MacのQuickTimeでMOVファイルが再生できない時の対処法
MacでQuickTime Playerを使ってMOV動画を開こうとすると、「種類“名前.mov”を開けませんでした。このファイルはQuickTime Playerと互換性がありません」というエラーメッセージが表示されることがあります。では、なぜQuickTimeでMOVファイルが再生できないのでしょうか?その解決方法とは?
MacのQuickTimeでMOVファイルが再生できない原因
まず、HEVCコーデックが欠落している原因を排除する必要があります。macOS High Sierra以降やiOS 11以降ではHEVCとHEIFが標準サポートされており、QuickTime Player、写真、iMovieなどのアプリでHEVC動画やHEIF画像を表示、編集、コピーできます。ただし、MOVファイルがQuickTimeで再生できないのは、別の非対応コーデックや不足しているコーデックが関係している場合もあります。
その他の原因としては、QuickTime Playerのバージョンが古い、MOVファイルが破損しているなどが考えられます。次のセクションでは、MOVの再生問題を解決する4つの方法をご紹介します。
方法1.QuickTime Playerを更新する
QuickTime Playerを最新版にすることで、MOVファイルが開けない原因となっている問題が解決することがあります。MacではQuickTime PlayerがmacOSに組み込まれているため、アプリ単体の更新ではなくmacOSのアップデートで更新されます。
方法2.MOVをQuickTime Playerで標準的にサポートされている形式に変換する
コーデックの非互換によりMOVファイルが再生できない場合は、MOVファイルをQuickTime対応形式に変換してください。最も簡単な方法は、QuickTimeがネイティブでサポートするH.264/MPEG-4 AVC、またはmacOS 10.13以降で対応しているH.265/HEVCでエンコードすることです。
これを行うには、下記の動画変換ソフトを試すことができます。
- Leawo Video Converter
- Any Video Converter
- WonderFox HD Video Converter Factory Pro
- WinX HD Video Converter Deluxe
- CloudConvert
- FreeConvert
- …
方法3.別のメディアプレイヤーを使用する
QuickTime以外にも、Macで動画を再生する方法は数多くあります。もしQuickTimeでMOVファイルが再生できない場合は、以下のメディアプレイヤーを試してみてください:
- VLC Media Player
- Elmedia Video Player
- Cisdem Video Player
- MPlayer X
- Total Video Player
- …
方法4:破損したMOVファイルを修復する
MOVファイルが破損している場合、QuickTime Playerやその他の動画プレイヤーで開くことはできません。再生するには修復が必要です。MOVファイルを修復するには、以下のツールを試してみてください。
- Stellar Repair for Video
- EaseUS RepairVideo
- VLC Media Player
- Wondershare Repairit
- Fix.Video
- 4DDiG Video Repair
- …
さらに読む:Windows用無料MOV動画編集ソフトのおすすめ
MOV動画編集ソフトが必要な場合、透かしのない無料動画編集ソフト「MiniTool MovieMaker」がおすすめです。このアプリケーションでは、MOV動画のクロップ、分割、回転、反転、再生速度調整、テキスト追加、ステッカー追加、フィルターやトランジションの適用などが可能です。
MiniTool MovieMakerクリックしてダウンロード100%クリーン&セーフ
MiniTool MovieMakerでは、MOVだけでなくMP4、AVI、MKV、WMV、WebM、MPG、FLV、VOBなどの動画も編集できます。編集後は、無料で1080pのMP4、WMV、MOV、MKV、AVI、WebM形式で動画を保存できます。
結論
この記事では、WindowsおよびMacでMOVファイルが再生できない問題の原因と解決方法を包括的に解説しています。MOVファイルが再生されない場合は、上記の解決策を試してみてください。
最後に、MiniTool製品の使用時にご不明な点がございましたら、[email protected]までお気軽にお問い合わせください。できるだけ早く返事いたします。
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